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和菓子の話

和菓子には自然の恵みがいっぱい

食べ物と健康との関係が注目を集めています。和菓子の原料は純自然食品ばかり。小豆、いんげん、手亡(てぼう)などの豆類、もち米や米粉、小麦粉などの穀類、いも類やごま、砂糖、寒天、葛など、どれをとっても太陽をさんさんと浴びて自然の中で育てられた植物性のものが多く、コレステロールの大敵といわれる動物性脂肪などはほとんど含まれていません。

砂糖は、脳の栄養源

砂糖は甘くて美味しいだけではありません。ほとんど純粋な炭水化物でエネルギー源として大切であるばかりではなく、人間にとって最も大切な脳の栄養源として欠かすことのできないものです。FDAなどの国際的に信頼されている機関では、砂糖が肥満や糖尿病の原因とならないことが科学的に証明されています。

餡はバランスの良い健康食品

和菓子の命ともいわれる餡は、小豆やいんげん、手亡(てぼう)などの豆類を原料として作られます。小豆を煮て食べたり、その煮汁を飲むと脚気やじん臓、はれ物に効果があると聞いた人は多いと思いますが、漢方医学では現在でも薬として用いられています。小豆には実にバランス良く栄養素が含まれています。良質のタンパク質やでんぷん質はもちろん老化を防ぐビタミンとして注目されるB1、B6、Kなど豊富なビタミン類、現代人に不足しがちなミネラル類、特にカルシウムや酸素を身体中に運ぶために必要な鉄、不足すると心筋梗塞にもつながるマグネシウムなどが含まれています。

食物繊維

いま食物繊維が見直されています。食物繊維は人間の力で消化できない食物中の成分ですが、食物の腸内滞留時間を短くしたり、インシュリンの分泌を正常化し、便秘や糖尿病、大腸ガンなどの予防に効果があるほか、女性の肌を美しくすることにも役立つといわれています。小豆の食物繊維には不溶性のものと可溶性のものがありますが、他に加熱することで倍近くまで増えるレジスタントスターチという成分もあり、食物繊維が豊富に含まれることで知られるごぼう(100g中11.1g)よりも多く100g中に12~13gもの食物繊維が含まれています。日本人の食物繊維摂取量は食生活の変化と共に少なくなり、現在は1日16g程度といわれていますが、これは日本人の栄養所要量として必要とされる1日20~25gを下回っています。和菓子はその不足する食物繊維を美味しく摂ることができる優れた食品です。

ポリフェノール

ポリフェノールは植物の葉や花、茎に多く含まれ、紫外線の照射によって発生する活性酸素から身を守る機能があることから注目されています。小豆のポリフェノールはアントシアンという種類で、餡にした場合も餡粒子に吸着して成分が残るため、餡を食べることで多量に摂取できます。さらに、小豆を加熱することにより、強い坑酸化力をもつといわれるメラノイジンという物質がうまれるので、ポリフェノールと合わせて活性酸素を除去する力が倍増するという特質があり、生活習慣病の予防にも効果的です。